プロモ・アルテ ギャラリー
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Cuban contemporary artist
Sandra Ramos
サンドラ・ラモス

Baire. Santiago de Cuba, 1947

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Sandra Ramos
 

サンドラ・ラモスのその他の作品リストはこちら


"地平線 II"

2012,
Pasaporte- Libro de artistas

"もう一つのイサカ(都市名)を夢見て"

2012, 50×100cm,
エッチング&アクアチント. ed.15/30

運命の三女神(ローマ神話から)"

2012, 50×100cm,
エッチング&アクアチント. ed.8/30

"レテ川のふもとで"

2012, 50×100cm,
エッチング&アクアチント.ed.7/30
       
"ナルキッソス(ギリシャ神話から)"

2012, 50×100cm,
エッチング&アクアチント.ed.15/30

"スキュラとカリュブディスの間(ギリシャ神話から)"

2012, 50×100cm,
エッチング&アクアチント.ed.15/30

"アリアドネの糸(ギリシャ神話から)"

2012, 50×100cm,
エッチング&アクアチント.ed.15/30

"理想郷"

2010, 50×60cm,
エッチング&アクアチント. ed.p/e
       
"学習"

2010, 50×60cm,
エッチング&アクアチント.ed.9/30

"Cuandrimomentum"

2010, 50×60cm,
エッチング&アクアチント. ed.5/30
SOLD

"未来"

2011, 50×60cm.
エッチング&アクアチント. ed.8/30

"ケーキをつまむ"

2010, 50×60cm,
エッチング&アクアチント.
       
"内部の条約 "

2012, 30x30cm, (10組)
エッチング、コラージュ
"内部の条約 "

2012, 30x30cm, (10組)
エッチング、コラージュ
"内部の条約 "

2012, 30x30cm, (10組)
エッチング、コラージュ
"内部の条約 "

2012, 30x30cm, (10組)
エッチング、コラージュ
       
"内部の条約 "

2012, 30x30cm, (10組)
エッチング、コラージュ
"内部の条約 "

2012, 30x30cm, (10組)
エッチング、コラージュ
"内部の条約 "

2012, 30x30cm, (10組)
エッチング、コラージュ
"内部の条約 "

2012, 30x30cm, (10組)
エッチング、コラージュ
       
   
"内部の条約 "

2012, 30x30cm, (10組)
エッチング、コラージュ
"内部の条約 "

2012, 30x30cm, (10組)
エッチング、コラージュ
   
       
Sandra Ramos

Sandra Ramos
Sandra Ramos
Sandra Ramos
La Maldita circunstancia
del Agua por todas partes, 1993
紙にエッチング, 50x80cm

SOLD
La Mano de Dios, 2001,
紙にコラージュ, 75x95cm

SOLD
Triste Tristeza, 2001,
紙にドローイング/コラージュ, 65x45cm

for sale
"El Pez de Gaston"

2001, 70x95 cm
Collage on Paper
for sale
       
Sandra Ramos
"Cultura fisica:la muerte que usted prefiera"

2003, 99.5x68cm,
Acrylic on Canvas/Digital Print
for sale
"El paisaje cambio 3 veces"

2003, 99.5x68cm,
Acrylic on canvas/ digital print,
for sale

"El llanto del Mar"
2001, 65x45 cm,
Drawing & Collage on Paper
for sale
"Somos Felices Aqui" Ref.#sr-10

2002, 60x70 cm,
Serigraphy ed.4/30
for sale
       
Sandra Ramos
"Isla Voladora" 1997,
ミクストメディア, 61x43x22cm,

for sale
"Bajo la Ciudad" 1997,
ミクストメディア,

for sale
"El Sueno del Angel" 1997,
ミクストメディア, 46x36x16cm,

for sale
La Historia de las Islas, 1997
インスタレーション, 180x95x30m

SOLD
       
Sandra Ramos Sandra Ramos
Sandra Ramos
Prisionero del Agua, 1997,
カンヴァスに油彩, 166.5×196cm
SOLD
Retrato del Naufragio, 1997,
カンバスに油彩,180x160cm

SOLD
"pecera" 1997,
カンバスにアクリル, 100x90cm,

SOLD
"あけぼのから日暮れまで"2003,
カンバスにアクリル 20ピース, 24.5x33.5cm,

for sale



Sandra Ramos (Cuba)

1969 ハバナ (キューバ)生まれ
1983 造形芸術初等学校卒業(ハバナ、キューバ)
1988 サン・アレハンドロ造形芸術学校卒業(ハバナ、キューバ)
1993 高等芸術学院ISA(Instituto Superior de Arte)卒業(ハバナ、キューバ)

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主な受賞
1990 ラテンアメリカ国際グラフィックコンクールLa Joven Estampa入選、Casa de las Americas(キューバ)
1991 1991CIPE賞(キューバ)
1993 国立版画サロン展特別賞(キューバ)
1997 Cultura Nacional栄誉賞(キューバ)
1998 国立美術指導サロン展受賞(キューバ)

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主な個展(1993年以降)
1993 「孤独にならないために」ビジュアル・アート開発センター(キューバ)
1994 「十字架を背負って-Jose Martiへのオマージュ」Jose Marti文化センター(キューバ)
Nina Menocalギャラリー(メキシコシティー)
1995 「サンドラ・ラモス新作展」420x20ギャラリー(オランダ)
「Cruzar las Aguas(川を渡ること)展」Ludwing財団(キューバ)
Stadtische Burg ギャラリー(ドイツ)
「Criaturas de Islas(島の子供達)展」
Nina Menocalギャラリー(メキシコシティー)
「Naufragos de orilla(岸に着いた難破船の乗組員)展」Le Pneumatique Nantaise (キューバ)
1997 「サンドラ・ラモス展」INAXギャラリー(札幌)
「Autoreconocimiento del Pez」Nina Menocalギャラリー(メキシコシティー)
1998 「Dos Cubanos sonadoras-夢見るキューバ女性作家展」スペース21ギャラリー(東京)
1999 「Inmersiones y enterramientos」ハバナギャラリー(キューバ)
Nina Menocalギャラリー(メキシコシティー)
2002 「Espejismos(蜃気楼)」プロモ・アルテギャラリー(東京)
2003 「Naufragios(難破)展」 府中市美術館(東京)
「Insomnios premoniciones(不眠の予感)展」Promo-Arte Gallery(東京)
「アリシア・カンディアーニとサンドラ・ラモス彫刻展」Casa de las Americasギャラリー(キューバ)
「Testamento del pez(魚である証拠)展」
Casas Riegnerギャラリー(米国)
2004 「Lecciones Oscuras(暗闇のレッスン)展」ハバナギャラリー(キューバ)
「See of sorrows(悲しみを見れば)展」フレイザーギャラリー(米国)
「エルサ・モラとサンドラ・ラモス展」パン・アメリカンアートギャラリー(米国)
2005 「Lecciones Oscuras(暗闇のレッスン)展」聖サンアントニオ・マリア・クラレ・アニメーション文化センター(サンティアゴ・デ・クーバ)
2006 「逃避展」C5コレクションギャラリー(スペイン)
「あけぼのから日暮れまで展」プロモ・アルテギャラリー(東京)
「サンド・ラモス〜前進展・2」映画文化センター(キューバ)
「サンドラ・ラモス〜島の創造物」La Vila Joiosa1ギャラリー(スペイン)
「サンドラ・ラモス彫刻展」Maison Rodolphe-Duguayギャラリー(カナダ)
2007 「サンドラ・ラモス&アイメ・ガルシア展」フレーザーギャラリー(米国)
「サンドラ・ラモス&Erika Kaminishi展」Promo-Arte Gallery(東京)
2008 「海の内側」マタンサス芸術ギャラリー(キューバ)
2009 「理想郷の跡」ヴィラ・マヌエラギャラリー(キューバ)
「ユートピアの崩壊」マヌエラ・ギャラリー(キューバ)
2010 「EXODUS」新作品展、Mayer Fine Arts(ヴァージニア・米国)
3ディメンション・サンドラ・ラモス展、Salle Zero, フランス協会(ハバナ・キューバ)
サンドラ・ラモス展プロモ・アルテギャラリー(東京)
2011 「90miles: Living in the Vortex」Dot Fiftyone Gallery(マイアミ・米国)
2012 「アメリカン・ドリームの旅」Accola Griefen Gallery (ニューヨーク・米国)
「橋」entre lejanías y cercanías llevadas a cabo展、第9回ハバナ・ビエンナーレ主催・ハバナ国立美術館(ハバナ・キューバ)
2013 「過去・現在・未来への架け橋」新作品展、Fort Smith Regional Art Museum(アーカンサス・米国)
キューバ人作家 サンドラ・ラモス 個展「移動そして理想郷」プロモ・アルテギャラリー(東京)
2015 サンドラ・ラモス「キューバ島のこどもたち」展プロモ・アルテギャラリー(東京)

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■サンドラ・ラモス 自分のアートについての声明文
第55回ベネツィア・ビエンナーレ出展において (2013年)


私は、世界で起きる事柄の政治的、社会的、現代的な背景と自分との関係性を自分の作品を通じて表現しようとしています。
私の仕事は自国の真実を反映することであり、日々の経済的社会的あいまいさに打ち勝つための個人的、社会的な記憶を回復させることに一役買っていると思っています。 私の作品は、現代キューバ社会において、社会主義から解放されたいと願う、今や失われてしまったユートピア精神と失望感を反映させています。
私は作品によって様々なメディアを使い分けています。「不思議の国のアリス」とそっくりのキャラクターを私の自画像として絵画や版画で描いていますが、有名な物語を利用して、私の国の最近の事情を批判する機能を果たすことになりました。
90年代は、スーツケースにペイントを施したシリーズを作り上げました。それはキューバの人々の経験、夢、幻覚、幻想を集積したものです。この彫刻とインスタレーションは、想像上の水の世界を表現しています。
人間の運命は変えることができない、という定義のもと人工的な水の世界を創りました。その際、作品の素材としてガラス、鏡、水槽、水、生きた魚、カタツムリ、砂を活用しました。 近頃の自分のインスタレーション作品で私は、この現代社会に暮らす我々が、普段の生活で見いだす思考、イメージ、知覚、対比、不明確さを見える形に近づけようとしました。
最近のコミュニケーションメディアの発達は、我々の現代生活にエネルギーを与え、以前我々が持っていた時間と空間に対する知覚概念を超越していると思います。
こういったアイディアを目に見える作品の中で表現するために、私はビデオや写真に記録されていた個人的、社会的な記憶を使います。
イメージが絶えず変化するデフォルメや知覚するスピードを利用したこともありますし(Entropidoscopios.ビデオインスタレーション 2009年)、富と貧困、発展と後進、豊かさと乏しさのように、素材とイメージとコンセプトの対比を高めようとしたこともありますし(The dream of the reason. ビデオインスタレーション 2009年)、時間と空間、近い遠い、ここあそこ、過去と現在、のように知覚力を使って遊んだこともあります(Parallel Roads. インスタレーション 2009年)。 私の作品は、プライベート展覧会、公共な展覧会、個展、グループ展に関わらず対話を持ち続けています。私の気持ちの深い部分に侵入する鑑賞者もまた、同じ空間を共有することによってこういった経験や記憶をあずかることになるでしょう。

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■展覧会:架け橋 〜遠くと近くを結んだ橋〜

第11回ハバナビエンナーレ (2012年)


国立美術館 キューバ芸術館 臨時フロア 3階
オープニング:2012年5月10 日 3:00PM

T. ノーチラス
今展は、ジュール・ヴェルヌに捧げるべきであろう。2回目の開催となる展覧会が開かれるこの島では、政治的な話題を先取りして形にする芸術活動がさかんな地域だ。先述の有名作家に近い見方をすれば、サンドラ・ラモスは国のために将来を見据えた画家である。移住改革宣言が差し迫ったころ、彼女は政治になんて期待はしていなかった。長く続く紛争の歴史の中で、一つの大地に存在する異なる二つの点を結ぶ、実質的で、通行可能な本物の橋を作り上げようと勢いよく前へ向かって進んでいたのだ。

この橋を通る者は、工学的にノーチラス号のように安全で頑強な橋であることを認めざるを得ないであろう。観客はフロリダ海峡を横断する海のイメージを楽しみ、ハバナとマイアミをつなぐ友好的な橋をイメージするに違いない。その風景に魅了さていると、ネモ船長率いるノーチラス船の槍うち名人ラーセンを感じずにはいられない。ほんの一世紀前のことではあるが、その深さまで潜水できたことが証明されたことから、その時代にすでに近代的な潜水艦を使っていたのであろう。そしてさらに我々を驚かせることがある。それは、猜疑心が強く抜け目のない現代人は日々起こる事柄と「格闘」しながらも、例えるなら収穫期に穫れる美味しい果実のように、より良い生活を望んでいるのである。もしかして、この橋はその真実を暗示しているのではないだろうか?

画家達が彼らの作品自身ではなく、その文脈を扱う術を知らないのではないかと我々評論家を責めるときが時々あるが、我々ももっと嘆くべきかもしれない。それにしても30年間も国民的な芸術家を発掘せずにいたとは!この橋のデザインやライン、何ともクリアで洗練された写真、歩道橋の光を帯びた透明感を思う存分大いに楽しんでいただきたいが、私はなぜ「橋」なのか疑問に思わずにはいられないのだ。

ノーチラス船のような何かを予感させる橋。2都市間を流れる橋。その2都市が離れてしまった悲しみを和らげる橋。新たな道を創り出す橋。海の上のユートピアであり、テクノロジーの可能性を探る存在であり、政治的な意志でもあるのだ。

私はフロリダ海峡をつなぐだけでなく、大陸と大陸の不和を軽減するための橋であって欲しいと思う。人々の往来があればどんな場所も必要とされ、そこには恩恵が生まれて欲しいと願っている。人々が運命を試したり、隠れたり、働いたり、兄弟達に出会ったりする無数の場所にこの橋があって欲しいと思う。そして多くの人を驚愕させ、ノーチラス号のように自由という海の深部に我々を潜らせてくれる、魅力たっぷりの橋がたくさんできればいいと思っている。それは地図に事前に印をして目的地を目指す小さな自由ではなく、行きたい所ならどこでも案内し連れて行ってくれる自由、例えるなら相通ずる2つの盃を覆うマントのような、そんな自由を願っている。

U. 目という橋
目という橋を通って私は世界を行ったり来たりしている。外向性を持ち、無分別な大きな窓のような橋である。すべては「そこ」を通って入って来る。色、形、人々、都市、自然。また、共感、におい、音、味も。世界は私の目という橋を通って私の中に入ってくる。しかしまた、その逆に私の中にあるものが外に出るのを止めることもできないのだ。

サンドラ・ラモスの目という橋を通り過ぎるのは内なる錯綜である。事前にスケッチした上にぴたりと合わせてプリントしたシルクスクリーンへの彼女の熟考は、痛みの微粒子、名もなき人間の虚勢、この海のどこにでも橋を架けていいという悲劇を語っている。つまり、誰も見たことのない涙、声にならない嗚咽、大きなわめき声、疑念、そして恐怖である。すべてはその目という歩道橋を通って流れ、橋まで届かない情報を集めるがごとく何度も何度も、際限なく焦点を合わせるのだ。そこには誰にも見せない涙、人には打ち明けられない恐怖心、つかみどころのない不安、後回しにされた夢、切られたひも、気まぐれな海が横たわっている。

コリーナ・マタモロス(国立美術館キュレーター)
2012年2月 ハバナ

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■サンドラ・ラモスからのメッセージ
「難破船 Naufragios -サンドラ・ラモスの絵画とトランク-」
(2003年 府中市美術館)

これらの作品は、人間は一体宇宙の中でどの場所に存在するのだろう、という人類共通の問いかけに対する私の個人的な、そして内面的なアプローチを表現したものです。
私たちは常に私たちについてまわり、またそれを想うと眠れなくなる未知なる世界について、芸術、宗教、哲学、そして科学を通し何とか答えを見つけようとしてきました。
自然界における人類の詩的な存在の証、宇宙の中での輪廻転生、目には見えないけれども人間とそのコンテクストとの関係、己の小ささに対する認知と、普遍的な存在そのものがつかさどる無限の可能性…

私たちは生まれる前に何者だったのか?今は何者なのか?そして私たちは死後、どこへ向かうのか?

そのような想い・問いかけが私にこれらの作品の制作へと導いてくれたきっかけです。

あるフォト版画の印刷を機に私は自分の作品にいつも自分の肖像を使うようになり、前述の問いかけに対する答えを表現してきました。作品を通して私個人と自然界 〜私たちが生まれ、還ってゆく世界〜 との絆を表しているつもりです。そこには常に変わり行くもっともらしい説と、限りないマチエールの可能性が述べられています。
いくつかの作品にはギリシャの哲学者によるミレトス話()へと私たちを導いてくれる移り気な流れの川があり、また、精神の雄大な旅を改めて見つめようと言うきっかけとなる私たち自身の反映・映し、自分も知らない自身の内面へと、導いてくれる橋が潜んでいるのです。そうかと思えば他の作品で私たちは土に、雲に、空気に変わり、また鳥となって高く舞い上がり、または小さな魚となって穴を掘り、永遠の海の子宮に深く潜ってゆくのです。

技法を少々お話しすれば、これらの作品はミクストメディア、とりわけ自然の有機的な物質の残留物が再生されて使われています。鳥の羽根、イノシシの針のような毛、植物、枯葉、魚の骨、貝殻などを紙、鏡といった、人間の手によってつくられた材料と組み合わせています。それぞれの要素が使われているのは決して偶然でも、なんとなくでもありません。ひとつひとつのモノはそれぞれの作品の中で象徴的な意味とコンセプチュアルな意味を表すため、密に結びついているのです。
鏡はその「映し出す」役割を持つものとして、水の象徴として、また生と死の間を渡すものとして… 鏡は未知への扉であり、その扉は私たちを存在の神秘へと導いてくれます。
鳥の羽根は私たちを飛翔へ、自由な空へと羽ばたかせてくれます。砂は現世へ、この世の有限性を象徴しているのです。

※ミレトス話−紀元前2世紀のギリシア人Aristides Miletusが書いた恋愛・冒険小話集


■まなざしの行方:正木 基 (美術評論家・casade cuba主宰)

サンドラ・ラモスは、1990年代初頭、社会主義圏崩壊の影響を受けるただ中のキューバにデビューした。ラモスにとっての制作の最初の指針は、非社会主義圏世界(とりわけ米国)との関係を断ち切られて成り立っていた、社会主義がいつかはユートピアに至るという価値概念の消滅の渦中に、キューバ人としてキューバの中で、何が見定められるのか、何を見定めるべきという問いであったろう。

彼女の代表作で、1990年代キューバ美術の代表作でもある『あらゆるところの水は悪い環境』(1993年)で、キューバ島の形となって横たわる裸体のラモスは、海流に身を委ねているかのようだ。が、いうまでもなく、パラダイスを思わせるラモス島(キューバ)は、周囲の海によって、米国をはじめとする外界世界と隔絶されてもいた。さらに、その後の作品で、ラモスは、キューバ島を赤ん坊にして周辺の海を羊水のイメージに重ねて見せた。そこで、キューバ島にとって、本来海洋的交通の要であるはずの海が、外界世界からの過保護、言わば隔絶であること、従って、交通と隔絶という海洋の二面性が問題提起として視覚化されている。そこから、海、その水で生きる者たちがキューバ人、というラモスの認識が生まれたならば、貝殻にしても、魚にしても、そこに生きとし生けるものに対する彼女のアイデンティティーが認められて不思議はない。海に囲まれ、海の中で、どのように生きるかが、そこでの問いなのだ。

そうした自然環境的関係と同様にラモスの作品は、キューバ人の生活に見られるさまざまな事象や夢想や象徴を作品の中に取り込み、日常環境との関係をも、作品に取り込み、視覚化して見せる。例えば、先のラモス島(=キューバ島)のパロマの樹(帝王椰子)や、左腕のモロ要塞(これは外敵に犯され続けたキューバ史のシンボルでもある)のように。それはキューバの自画像をイメージする作業だ。そしてキューバを見る作業が、キューバ人である自身を鏡で見定めるような自己参照的な作業であることは言うまでもない。そこで一貫しているのは、常に、キューバ人女性として、キューバから、いかにして世界とのコミュニケートを通じ、自身が、強いてはキューバ(人)が世界のどこに位置し、どう見られているかを計測することから、キューバ(人)のアイデンティティーとは何かを見定めようということなのだ。それは、キューバだけでなく、世界中いたる所で、起きている価値概念や生活基盤の転倒、言い換えるならば世界史レベルの変転を、いかに個人の生活史レベルで受け止めるかを、ラモスが、キューバという事例を引いて、世界に提示しているということでもあるのではないか。それらの作業を、ラモスは、版画に始まり、ボックス・アート、油彩、ビデオ・インスタレーション、鏡やキューバの生活を象徴する事物のコラージュなどさまざまな表現手段を横断して行ってきている。今回は、版画、ボックス・アート、油彩に引き続いて、コラージュ作品が、初めて紹介される。
 

グループ展(1996年以降)
1996 「夢見る世界-キューバ若手作家展」Casa de las Americas(マドリッド)
「キューバとメキシコのニューアート」David Floriaギャラリー、
Woody Creck(コロラド、米国)
「境界を越えた女性たち」Santa Barbara現代美術フォーラム(カリフォルニア)
ICC現代アートギャラリー(イスラエル)、Kunstlerahaus Graz(オーストリア)
1997 「革命の隠された美術と時代無き美術」(トロント)
「Utopian Territories, New Art from Cuba」Belkin アートギャラリー、British Colombia大学(バンクーバー)
「Zona Vedada」第6回ハバナビエンナーレ(キューバ)
「Creative Graphic'97」第8回国際版画トリエンナーレ、Alvaro Aalto美術館(フィンランド)
1998 「キューバ現代美術展Cubartex'98」(日本人キューバ移民百周年事業) 浦添市美術館(沖縄)、代官山ヒルサイドフォーラム(東京)、 いわき市文化センター(福島)
「De Discretas Autorias-キューバ・ベネズエラからのニューポエム」Mario Abreu 現代美術館(ベネズエラ)
1999 「イギリス人のために」Concourse ギャラリー、 Barbicanセンター(ロンドン)
「隠喩と注釈」サンフランシスコ大学(米国)
「New Year's Message from Cuba」プロモ・アルテギャラリー(東京)
2000 「Vidas Paralelas」、「La gente en casa」第7回ハバナビエンナーレ(キューバ)
「Hidden Images(現代キューバ作家による紙を使った展示)」Zoeller Art Center
Lehigh大学アートギャラリー(ペンシルバニア、米国)
「MOCA Art Auction」ロサンゼルス現代美術館(MOCA)(米国)
「ラテン・カリブ現代美術Today展」三浦美術館(松山)
「アフロ・キューバの世界展」三菱地所アルティアム(福岡)
2001 「Hello Cuba-Breaking Barriers, Contemporary Cuban Art」The Mary Brogan 美術館(フロリダ、米国)
「Contemporary Cuban Prints」Cuban Art Space(ニューヨーク、米国)
「Viva Cuba」Alva ギャラリー(コネチカット、米国)
2002 「"キューバ現代美術の流れ"出版記念展」プロモ・アルテギャラリー(日本)
La Huella Multiple Sobreviviendo CDAV(キューバ)

2003 「ポスト・ユートピア」ニューヨーク州立大学(米国)
「キューバの記録展」サント・ドミンゴ近代美術館(キューバ)
「魂の向こう側展」Fototeca de Cubaギャラリー(キューバ)
「常識」ハバナギャラリー(キューバ)
「キューバの女性芸術家達」キューバスタディセンター(米国)
「芸術のシカゴ展」Nina Menocalギャラリー(米国)
「Art Basel Miami Beach展」Nina Menocalギャラリー(米国)
「ここから、そしてそこから展」フレイザーギャラリー(米国)
「地平線よりもっとこちらへ」第8回ハバナビエンナーレにて(キューバ)
「微笑みの発見」第8回ハバナビエンナーレにて(キューバ)
「連絡」第8回ハバナビエンナーレにて(キューバ)
「Fourtell展」Casas Riegnerギャラリー(米国)
「肉体」ラテンアメリカ女性アーティストによる。シュミットギャラリーセンター(米国)


2004 「New Installations展」マットレスファクトリー美術館(キューバ)
「Art Basel Miami Beach展」Nina Menocalギャラリー(米国)
「Trans/Migraciones」サン・フアンポリグラフィカギャラリー(プエルトリコ)
キューバ人アーティストによる「ニューメディア展」Casa de Mexico(キューバ)
「キューバプリント展」バークシャー州大学Koussevitzkyアートギャラリー(米国)
「未来は現在展」ダースト財団(米国)
「キューバの若手現代アーティスト展」セント・ジョーンズ大学chung-chengアートギャラリー(米国)
「ARCO展」現代美術国際フェアにて。ハバナギャラリー(スペイン)
現代グラフィック展 C5コレクションギャラリー(スペイン)
「キューバの記録展」キューバスタディセンター(米国)
「キューバンアートの多様な足跡」プロモ・アルテギャラリー(東京)
「ペネロペの唇展」C5コレクションギャラリー(スペイン)
「永久保存版より、キューバンアート展」アリゾナ州大学美術館(米国)
「版画との出会い展」(キューバ)
「創造展」ビジェーナギャラリー(キューバ)
「パスポート展」メリディアン・リンゴットホテル(イタリア)
「キューバ人アーティストによる三世代展」フレイザーギャラリー(米国)
「第12回版画展2004」現代美術建築版画ギャラリー国際サロンにて
2005 「流動する欲望展」ティッセン・ボルネミッサ美術館(オーストリア)
「キューバプリント展」
シドニー・ミシュキンギャラリー(米国)
「キューバプリント展」プレジデント・ギャラリー(米国)
「アメリカ芸術展」Nina Menocalギャラリー(米国)
「Wunderkammer1(驚異の部屋)展」Nina Menocalギャラリー(メキシコ)
「クリエイティブ・グラフィック展 '05」第11回国際プリントトリエナーレにて(フィンランド)
「サマー・グループ・ショー」フレイザーギャラリー(米国)
「ラテンアメリカ・アートオークション2005展」マイアミ・アートセンター(米国)
「百年の孤独展」The Sam Francisギャラリー、クロスロード・スクール、Maine近代アートセンター(米国)
「体、そして私の国展」ヴァージニア大学美術館(米国)
「魂の向こう側展」Kornhausフォーラム(スイス)
2006 「キューバアートの語り展」ラテンアメリカアート美術館(米国)
「第13回版画展2005」C5コレクションギャラリー(スペイン)
「裸の生活展」Servandoアート・ギャラリー(キューバ)
「魂の向こう側展」Clarisses教会(キューバ)
「ハバナ・ファクトリー展」A Chocoleteriaギャラリー(スペイン)
「芸術は金なり展」メアリー・ブローガン芸術科学博物館(米国)
「ラテンアメリカ・アートオークション2006展」マイアミ・アートセンター(米国)
「足跡展」Edward Dayギャラリー(カナダ)
「ニューヨークお手軽アートフェア」フレイザーギャラリー(米国)
「多様なる足跡展」聖フランシスコ・デ・アシス修道院(キューバ)
「足跡展」第9回ハバナ・ビエンナーレにて(キューバ)
「Art & Resau(x)展」ケベック大学アートギャラリーにて(カナダ)
ラテンアメリカの「青」展プロモ・アルテギャラリー(東京)
2007 「Homing Devices展」フロリダ南大学現代アートミュージアム(米国)
「ラテンアメリカ・アートオークション2007展」マイアミ・アートセンター(米国)
「物語展」ダラス大学 M.Haggertyアートギャラリー(米国)
「鏡の向こうへ展」アレグロギャラリー(パナマ)
「現代キューバグラフィック展」ロビーギャラリー(米国)
「Cuba Avant Garde展」John & Mable Ringling美術館(米国)
「魂の向こう側展」サンタクルス・デ・テネリフェギャラリー写真センター(スペイン)
「自己変革展」Nina Menocalギャラリー(メキシコ)
「LISTE Colonis展」芸術フェアにて。C5コレクションギャラリー(ドイツ)
「多様なる足跡展」国際版画ビエンナーレ(スペイン)
「表現展」ベンジャミン・オーティスコレクションよりカリブ海とラテンアメリカアートの紹介。Lyman Allyn美術館(米国)
「キューバンアヴァンギャルド展」ファーバーコレクションより現代キューバアートの紹介。HARN美術館(米国)
「革命時代の女性アーティスト展」Drake大学アンダーソンギャラリー(米国)
「キューバの心と思想、過去と現在展」ニューイングランド大学アートギャラリー(米国)
「ASUアートミュージアムコレクション」(米国)
キューバ・アート・エキシビジョン in シティクラブ・オブ・東京Promo-Arte Gallery(東京)
キューバ人作家 サンドラ・ラモス&カルロス・エステベス 「キューバの新しい波」プロモ・アルテギャラリー(東京)
2008 「Monumental Promotions」アリゾナ大学美術館所蔵作品コレクション(米国)
「我らここにありき展」H&Fファインアートギャラリー(米国)、
「キューバ現代アート〜アヴァンギャルド展」ファーバーコレクションより。オレゴン大学ジョーダン・シュニッツァー美術館(米国)
「キューバ版画展」ペレイラ美術館(コロンビア)
「海をまたいだ島の進化の過程展」国立美術館(キューバ)
「純粋絵画展」Pilar Riberayguaギャラリー(スペイン)
「カリブ海に浮かぶ島の絵画展」アキタニア美術館(フランス)
「ゴールドバーグコレクション作品展」ナッソーカントリー美術館(コロンビア)
「キューバ!1868年から現在までのアートと歴史展」モントリオール美術館(カナダ)
「現代の視点から見たブラジル展」ロサンゼルス市アートギャラリー(米国)
「現代キューバアートにおける自由と孤独の表現展」ボストン大学アートギャラリー(米国)
「自己の確立」ハバナギャラリー(キューバ)
「キューバアートの対話」(米国)
サンドラ・ラモス展プロモ・アルテギャラリー(東京)
ラテンアメリカン・アート展プロモ・アルテギャラリー(東京)
2009 「ラテンアメリカの新しい波」展 プロモ・アルテギャラリー(東京)
「キューバ!1868年から現在までのアートと歴史展」グローニンゲン美術館(オランダ)
「Comfluencia 2 キューバ現代アートの内側で」国立ヒスパニック文化センター(NHCC)(米国)
「発展的な対話」展ラテンアメリカ版画と版画家たち。現代版画センター(米国)
「揺さぶられたキューバの魂」Lyman Allyn美術館(米国)
「動きのある対話」セアラー州現代美術館(ブラジル)
「キューバ人アーティストの書籍と版画」グロリエクラブ(米国)
「HB4」第10回ハバナビエンナーレにて(キューバ)
Latinamerican Contemporary Art "TODAY"
「ラテンアメリカンアート”TODAY”2010 」展プロモ・アルテギャラリー
(東京)
2010 「北京キューバン・アヴァンギャルド2010」展Dong Cheng Space for Contemporary Art (北京・中国)
「デジタル・オーシャン」Sala Puerta Nueva(コルドバ・ポルトガル)
「ポルトガル・アート10」リスボン・ビエンナーレ展(リスボン・ポルトガル)
「アリシア・アロンソDances here tonight」展Magnan Metz Gallery(ニューヨーク・米国)
「キューバ現代アート花>嘘と革命」展シェルダン・アート・ミュジアム(ネブラスカ・米国)
「地平線の島々」展La Regentaアートセンター(カナリア島・スペイン)
「Don't call me pretty: Women in Art」パンアメリカン・アート・プロジェクト(マイアミ・米国)
「唯一の作品"Pieza Unica"」展マドリード・アストゥリアス公国代表団展示会場(マドリード・スペイン)
「Ferber現代アートコレクション"キューバン・アヴァンギャルド"」展Lowe Art Museum(マイアミ・米国)
「Polaridad Complementaria新作品」展ニューオリンズ・アート・ミュジアムとNewcomb Art Gallery(ニューオリンズ・米国)
「ラティナス」展The Roslyn Nassau Country Museum of Art(ニューヨーク・米国)
"Water Walls & Borderless" Exhibition プロモ・アルテギャラリー(東京)
Latin American Contemporary Art Exhibitionプロモ・アルテギャラリー(東京)
2011

「ラテンアメリカの危機>Arte y confrontacion1910-2010」展メキシコ国立芸術院(メキシコシティー・メキシコ)
「キューバン・ヴィジョン>キューバン現代アート」展メトロポリタン・パビリオン(ニューヨーク・米国)
「お誘い>The Pizzuti Collection selected works by woman artists(オハヨ・米国)
「Polaridad Complementaria新作品」展ウォーターフロント・パーク・シティー・ギャラリー(チャールストン・米国)
「Polaridad Complementaria新作品」展Housatonic Museum of Art, Bridgeport, CT(ブリッジポート・米国)
「キューバン・ゴールド>複製製造ばんざ〜い」展キューバ版画家による版画作品、ロンドンプリント工房(ロンドン・英国)
「Cuba Now 」展21C ミュージアム ホテル(ケンタッキー・米国)
「Diaspora, Identity, and Race: Cuba Today」展オレゴン大学/Focus Gallery Jordan Schnitzer Museum of Art(オレゴン・米国)
「地平線の島々」展ドミニカ共和国モダンアート・ミュージアム(ドミニカ共和国)
「地平線の島々」展ウィフレド・ラム現代アートセンター(ハバナ・キューバ)
「地平線の島々」展Clément基金(マルティニック島)
"Emerging Cuban Young Artists exhibition"
キューバ若手現代作家展プロモ・アルテギャラリー
(東京)
ラテンアメリカ現代版画展プロモ・アルテギャラリー(東京)

2012

「革命はテレビ中継されないRevolution not televised」展 The Bronx Museum of the Arts. (ニューヨーク・米国)
「Las Metáforas del cambio」展第9回ハバナビエンナーレ複合展示 Factoría Habana(ハバナ・キューバ)
「Haciendo Presión.キューバ現代版画」展. 第9回ハバナビエンナーレ複合展示 La Cabana(ハバナ・キューバ)
「Restless: Recent Acquisitions from the MAM Collection」展マイアミ・アート・ミュージアム(マイアミ・米国)
「本と版画・キューバの作家1985-2008」展 Cantor Art Gallery. College of Holy Cross Worcester(マサチューセッツ・米国)
キューバ革命後第2世代の作家達「夢想と予感」展プロモ・アルテギャラリー(東京)
ラテンアメリカン・コンテンポラリーアート展プロモ・アルテギャラリー(東京)
ラテンアメリカン & カリビアン現代アート"Today"展 PART1プロモ・アルテギャラリー(東京)
ラテンアメリカンアート展 vol.1プロモ・アルテギャラリー(東京)
ラテンアメリカンアート展 vol.2プロモ・アルテギャラリー(東京)

2013

「キューバ永遠に」The Pizzuti Collection (オハヨ・米国) 
「2013ヴェニス・ビエンナーレ>キューバ・パビリオン」Palazzo Reale国立博物館(ヴェネチア・イタリア)
「苦悩と熱意:"What Do You Do With Your Revolution Once You’ve Got It? "」グレート・マンチェスター・アート・センター(マンチェスター・米国)
「苦悩と熱意:"What Do You Do With Your Revolution Once You’ve Got It? "」Cornerhouse & The Library Theatre Company(マンチェスター・米国)
4人のキューバ女性現代アーティスト展プロモ・アルテギャラリー(東京)
キューバを代表する 4 人の女流 現代アーティスト展プロモ・アルテギャラリー(東京)
キューバ現代美術作家展プロモ・アルテギャラリー(東京)
アベル・バロッソ [ タッチパネル電話展 ] & サンドラ・ラモス [ 現代の神話展 ]プロモ・アルテギャラリー(東京)

2014

ボーダレスのキューバンアート展 vol.1 プロモ・アルテギャラリー(東京)
第13 回ラテンアメリカン& カリビアン現代アートTODAY 展 プロモ・アルテギャラリー(東京)

2015 WOMAN ARTISTS EXHIBITION 女性作家10人展プロモ・アルテギャラリー(東京)
第14回ラテンアメリカ・カリビアン現代アートTODAY展プロモ・アルテギャラリー(東京)
2016

ラテンアメリカン現代アート常設展プロモ・アルテギャラリー(東京)
「 世界が注目するキューバの作家たち展」 プロモ・アルテギャラリー(東京)
第15回ラテンアメリカ・カリビアン現代アートTODAY展プロモ・アルテギャラリー(東京)



 

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