プロモ・アルテ ギャラリー
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Peruvian contemporary artist
Erika Nakasone
エリカ・ナカソネ
Born in Lima, Peru
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Horacio Carrena
 


エリカ・ナカソネの作品リスト
それぞれをクリックすると拡大画像をご覧いただけます。


"Pido un deseo"
Corazon de plata y pintura acrilica sobre madera
11.5x50x12cm.
2007

"Fundamentos del Neo-Retablo"
55x 44x18.5 cm
Pintura Acrilica sobre tela y tallado en madera revestido en lamina de oro
2009
"En el Pasado"
46x42x7cm
acrylic on canvas and wooden board
2010


"el arte ceramico precolombino, llevado a la contemporaneidad"
acrylic painting on wood, paper and pvc
27x29x10cm
2010
 
"Si pudiese entender"
107x65x50 cm.
Pintura acrilica y lamina de aluminio sobre madera,
2009

"Con un Adios"
acrylic on wooden board, Aluminium on wooden board
39.5x33x13cm.
2008
"El nuevo Retablo Peruano en proyecto" (10 piezas)
91.2x68cm
Pintura Acrilica sobre papel; plastico corrugado, 2009
“ Camino a Casa”
46x54cm.
acrylic on canvas
2007
 
   
"Saltando hacia la imaginacion"
44x200x7cm.
acrylic on wooden board, wooden board
2007
“ Altar y Mezanine”
91x135x15cm.
Pintura acri´lica sobre tela y madera, impresion sobre tela
2008
   


エリカ・ナカソネ
Erika Nakasone(Peru)


エリカ・ナカソネの作品に出会うたびに、人は皆生きている限り自己を探求し続け民族や国籍を問わず、いつか自分個人のアイデンティティーを確立するのであろうかと、思いめぐらせられるような感動に落ち入るのである。カンバスやボードに描かれている色彩は沖縄の花や太陽を連想させられ、シルバー色の祭壇や立体物は、17世紀のアンデス植民地時代のメスティーソ(混血)文化を象徴する宗教美術を感じさせられる。全体の構図からはそれらをみごとに融合させ、和を感じさせる作品になっている。作家は沖縄出身の祖父母のもとペルーで生まれ育ったことにより、沖縄の琉球文化にあこがれ日本に留学をする。ペルーに色濃く残る先住民文化、アンデス植民地時代文化、独立後のメスティーソ文化、家族から影響された琉球の文化、また、留学してから現在居住している日本の文化など、すべて歴史の深い民族文化のなかで、個人のルーツをたどりながら、今後どのような作品を生み出すのか大変興味深い。

                        プロモ・アルテ 古澤 久美子



 

ニッケイ・アートなるものは成立するのか?        
― エリカ・ナカソネ展に向けて ―


     加藤薫 (美術評論家 中南米美術研究者、神奈川大学教授)

 南米ペルーの歴史の中に初めて日本人の記録がでてくるのは17世紀初頭のことである。だが真にペルー経済の発展に貢献したといえる日本人の大規模移民は19世紀末になってのことだった。第二次世界大戦中の不幸な経験を経て、21世紀のペルー移民はすでに第5世代の時代に入っている。
 ペルーの現代美術の展開と日本人のペルー移民の歴史を交差させるとティルサ・ツチヤ(Tilsa Tsuchiya: 1936-84)という国際的にも著名な画家の名が挙がる。彼女の活躍した同時期の中南米文学の動向を反映してその作風は「魔術的」とか「幻想的」いう言葉で彩られてきたが、いずれにせよペルーを代表する現代美術作家というラベルがはられていることは疑いない。しかし彼女はまた美術史の世界では「日系」とか「ニッケイ」というアイデンティティーで語られることはほとんどなかった。
 Nikkei、あるいは「ニッケイ」とカタカナ表記が適切な言説が国際的な拡がりを持ち始めたのは1990年代頃からだろうか。アメリカ大陸全域に分布する日本人ディアスポラたちの共通アイデンティティーと理解すると実に興味深いコンセプトなのだが、では各地に散在する日系人コミュにティー出身の美術作家たちの作品を「ニッケイ・アート」としてくくることが出来るのかどうか。ニッケイ・アートは国境を越えた文化運動なのか?何か美意識や美学に共通性はあるのか?
 日本人というエスニックな起源でまとめられるものなのか?はたまた現代美術の新しい現象なのか?現時点ではその定義やアイデンティティーも不明確であり、従ってその存在自体を肯定するのも否定するのも難しい。ただひとつわかっていることは国別、あるいは表現の様式別に現代美術を語ることがもはやナンセンスな時代にあって、何か別次元のオルターナティヴな美術の胎動を予感させるものだということだ。エリカは「私の作品はペルー人がつくったとか日本人がつくったという言説にはフイットしない。ハイブリッドとかメスクラなものです。ちょうど私自身のように….」と語っている。
 
ペドロ・デ・オスマ美術館で開催された「ペルーの現代ニッケイ・アート」展カタログの中でペルー生まれのエリカは「…私がペルー人の一女性作家として作品を制作しはじめたのは明らかでした。しかし友人たちはいつも私の作品の中に<日本人性>が潜んでいるのではないかと探し回るのでした」とリマの美術大学在学中の体験を書いていた。ならばその<日本人性>なるものを探求しようと奨学金で沖縄県立芸術大学に留学したのが2001年のことである。沖縄はまたエリカの祖父母の出身地でもあった。以後の約10年間、日本とペルーの間のみならず、ニューヨーク、コロンビア、フィリピンなど国際的に活躍する美術作家となっている。
 沖縄でエリカは紅型(びんがた)と出会った。紅型は、型紙を用いて多彩な文様を布地に染め分けてゆく技法で、沖縄では15世紀頃から着物や帯地の文様付けに使われていた。エリカはこの技法を、ペルーで親しんできたレタブロという植民地時代にスペインから移植され独自の発展を遂げた作品形式と融合させた。レタブロは中南米にあまねく存在する一方、地域ごとにそれぞれ独自の定義や形式があり、一義的に語れない多彩なものがあるが、ペルーではカトリック信仰と結びついた祭壇後方衝立を指し、木製で表面彩色され、一般家庭でも個人礼拝用に小規模な立体構造のものが設置されていた。エリカはこのレタブロを模した箱型、あるいは半立体の支持体構造体の表面に紅型パターンを模した幾何学的文様で描く。そこに人物像をはめ込んだり、スペイン人到来以前に栄えていたプレ・コロンビア美術の図像を融合させとりもする。グラフイックな文様パターンごとに白い縁取りがあり、平面分割している。そしてこの時間と空間を超越した異文化の諸要素の統合の象徴としてオビ(帯)をあしらう。 沖縄の紅型にヒントを得た文様描画技法+レタブロを想起させる立体的支持体+プレコロンビア時代の図像+それらを統合するオビのモチーフというのがエリカの作品のハイブリッド性の基本構造だが、いうまでもなく、エリカの制作活動は日々、こういった言葉で語られてしまう言説を自ら壊しては、次の生成発展をめざしているわけで、そのプロセスが作品として可視化されてゆくわけである。どのような新作が披露されるのか、はたまたそれらがニッケイ・アートの典型になるものなのか、興味はつきない。


 

略歴

1988 リマ市美術館、絵画教室
1990 ジョー・D・レオン専門学校 絵画教室
1993 コリエンテ・アルテルナ専門学校
1995 ペルー国立美術大学絵画課卒業
2001 沖縄芸術大学日本画専攻(1年間)


受賞歴

1995 プレンド絵画賞金メダル受賞
1995年記念展にてアンヘル・チャベス・ロペス賞受賞
1996 青年コンクール佳作入賞
2003 第16回上野の森美術館「日本の自然を描く展」入賞
第10回銀座小野画廊「現代美術小作品展」入賞
2005 WARD NASSE Galleryから出展 「第23回ARTEXニューヨーク2005」特別賞受賞
2006 アーティストへのパスポートコンテスト展入選
第2回ふりそでハッピーワールドコンテスト展優秀賞受賞


奨学金

2001 沖縄県海外移住者奨学金「沖縄県立芸術大学留学」1年間
2002 日本国政府文化庁「外国人作家プログラム」8ヶ月間


グループ展

1996 ベンハミン・カリオン新芸術博物館(エクアドル)
1997 ファッメファザリギャラリー(スイス)
1998 ペルー美術巡回展(エクアドル/ボリビア)
ペルー現代美術展サンフランシスコ・アッディー・ギャラリー(アメリカ)
未来における作家達展ロサンゼルス・パサデナ図書館ギャラリー(アメリカ)
ペルー現代絵画展グアナファト・イラプアト文化センター・ギャラリー(メキシコ)
ペルー日系作絵画展ブラジル連邦貯蓄金庫展示場(ブラジル)
1999 ペルー日系画家展(キューバ)
ペルー日系人絵画展アンドレス・ベイジョ協定記念展示場(コロンビア)
芸術界での女性展フェリペ・カッシオ・デル・ポマール・ギャラリー(ペルー)
俳句と芸術展リマ日系文化センター内リョウイチジンナイギャラリー(ペルー)
2000 第4回ビジュアルアート新地平線展SCARBOROUGH市民センター(カナダ)
ライフ・プレセンス展ワールド・トレード・センター(インドネシア)
ペルー日系現代絵画展カリ/テュンハ/カルタヘナ/メデジン巡回展(コロンビア)
2001 人生の出来事展マニラ・メトロポリタン美術館(フィリッピン)
立体週間展那覇市民ギャラリー(沖縄)
2002 式典アート・サロン・アクロス・ギャラリー(東京)
2003 大地の鼓動展プロモ・アルテ・ギャラリー(東京)
第8回アート未来展東京都美術館(東京)
第16回日本の自然を描く展上野の森美術館(東京)
第10回現代美術小作品展銀座小野画廊(東京)
ラテンアメリカン・アート展プロモ・アルテ・ギャラリー(東京)
Between Latin America展プロモ・アルテ・ギャラリー(東京)
2004 横浜アートショー展横浜市民ギャラリー(横浜)
2005 横浜アートショー展横浜市民ギャラリー(横浜)
2005 第6回ラテンアメリカン&カリビアンアート展プロモ・アルテ・ギャラリー(東京)
第23回ニューヨーク・アルテックス展Ward Nasse Gallery(アメリカ)
SIAPPE 2005展国際芸術サロン・パレー・デュ・コングレ(フランス)
2006 アーカーシャ光と輝きのアート展足利市立美術館(栃木)
2007 ウチナンチュウ芸術際沖縄市立現代美術館(沖縄)
メダルのもう一面の顔展ペルー芸術学校文化センター(ペルー)
2008 ペルー日系現代アート展ペドロ・デ・オスマ美術館(ペルー)
2009 移動の表現展沖縄市立現代美術館(沖縄)
日系の伝統の美と精神展日系人文化センター・リョウイチ・ジンナイ・ギャラリー(ペルー)
2010  Latin American Contemporary Art Exhibitionプロモ・アルテ・ギャラリー(東京)
2011 ペルー人作家二人展 エリカ・ナカソネ&オズワルド・ヒグチプロモ・アルテ・ギャラリー(東京)
PROMO-ARTE Gallery コレクション展 ~油彩・版画・彫刻~プロモ・アルテ・ギャラリー(東京)
2012 ラテンアメリカ『コロニアル時代の光と影』展プロモ・アルテ・ギャラリー(東京)
第12回 ラテンアメリカン & カリビアン現代アート"Today"展 PART1プロモ・アルテ・ギャラリー(東京)
第12回 ラテンアメリカン & カリビアン現代アート"Today"展 PART2プロモ・アルテ・ギャラリー(東京)
ラテンアメリカンアート展 vol.2プロモ・アルテ・ギャラリー(東京)
   


個展歴


1996 「2つの世界の中で展」クアドロ・カフェ・アート・ギャラリー(ペルー)
「2つの世界の中で展」リカルド・パルマ文化センター(ペルー)
2001 「95年前展」アジアン・フラワーズ・ギャラリー(沖縄)
2002 「想像の存在展」沖縄市立芸術大学ギャラリー(沖縄)
2004 「インサイド展」銀座小野画廊(東京)
2005 「エリカ・ナカソネ絵画展」豊川市民ギャラリー(愛知)
2006 「2003〜2006 IN JAPAN展」在日ペルー共和国大使館(東京)
2007 「小作品展」足利市民会館(栃木)
2008 「 Soy yo, Erika, Erika Nakasone私はエリカ、エリカ・ナカソネです展」APECリマサミット関連イベントペルーが外務省主催インカ・ガルシラソ・デ・ラ・ベガ文化センター(ペルー)
2009 「アイデンティティーへの道<古里>展」移民110周年記念イベント日系人文化センター(ペルー)
2010 「ネオバロック展」プロモ・アルテ・ギャラリー(東京)

 


 

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