Mamani Mamani solo exhibition - Color and Spirit from the Andes
アンデスの色彩と魂 - ママニ・ママニ展

主催:アートスペース ROCHE
後援:ボリヴィア共和国大使館

評論:加藤薫(中南米・カリブ圏美術研究者・神奈川大学教授)



2005.08.25〜09.14 (期間延長しました)
12:00〜19:00 (月曜休み Closed on Mondays)

■ パンフレット、作品の購入をご希望の方は電話またはe-mailで

東京都渋谷区神宮前5-51-3 ガレリア1F
アートスペース ROCHE

tel.:03-3400-1995
e-mail:
info@promo-arte.com


 

ごあいさつ

アイマラ族出身の画家ママニ・ママニ氏が、ボリヴィア共和国大使館の後援により日本の皆様方に彼の個性的な芸術表現の新作をご披露いたします。
作品にはアンデスをモチーフとして表象化したものなど、卓越した文化の起源となったアイマラ芸術との融合が見られます。ママニ・ママニ氏はアイマラが産んだ真の芸術家であり、作風はアイマラの民の豊かな文化と伝統に根付いたものであることを際立たせています。アイマラの伝統美術を擁護する明確な目的を持ち、温かな色使いで民族独特のものを表現し、作品を国際的なレベルにまで引き上げました。
ボリヴィア国内はもちろんのこと、アメリカ合衆国、カナダ、ドイツで開催された展覧会では高い評価を得るに至り、数多くの国際的な賞、メダル、表彰を獲得しています。

駐日ボリヴィア共和国
特命全権大使 ホアキン・ダブドゥブ






"Gallo cantor", 2005 de la serie Pelea de Gallos
oil pastel 70x50cm



"Pueblo de los Andes", 2005 de la serie Pueblos
con Sol - oil pastel 25x70cm




"アンデスを望んで" 紙にオイルパステル 25x35cm (作品サイズ)
                 52x62cm (フレームサイズ)




"十字架の太陽"  紙にオイルパステル  25x35cm (作品サイズ)
                 52x62cm (フレームサイズ)



"月の山"  紙にオイルパステル 25x35cm (作品サイズ)
             52x62cm (フレームサイズ)




"高地の山"  紙にオイルパステル 25x35cm (作品サイズ)
              52x62cm (フレームサイズ)




"インティアンディーノ"  紙にオイルパステル
     25x35cm (作品サイズ) 52x62cm (フレームサイズ)




"少女の月"  紙にオイルパステル
     35x25cm (作品サイズ) 62x52cm (フレームサイズ)




"太陽と村シリーズ"  祖先の村  紙にオイルパステル
     25x35cm (作品サイズ) 52x62cm (フレームサイズ)


 

 


ママニ・ママニさんとホアキン・ダブドゥブ駐日ボリヴィア大使


ギャラリー展覧会風景


ギャラリー展覧会風景


愛知万博ワークショップの風景


愛知万博ワークショップの風景



ママニ・ママニ展によせて

加藤薫(中南米・カリブ圏美術研究者・神奈川大学教授)


南米の内陸国ボリビアは、現在一万三千人以上の日系人が活躍し、日本からの積極的な技術協力で良好な関係を維持している国である。チチカカ湖の景観やティワナク遺跡、ウユニ塩湖やオルーロのカルナバルなど観光資源も豊富だ。

しかし、この国の美術事情となると皆目わからないと言うのも実情だろう。2005年開催の愛・地球博への出展を機会に、ボリビア現代美術の人気美術作家ママニ・ママニが来日し、首都東京でも個展が開催するという。もちろんママニ一人の作品がボリビア現代美術全体を代表するものではないが、ママニの作品を通じてボリビアの現代美術状況を嗅ぎとることは可能だし、それが五千年以上に及ぶ先住民時代からの歴史に支えられたものであることが理解できるだろう。

画家ママニ・ママニは1962年コチャバンバ生まれ。現在は首都ラ・パスに住むが、人口の約55%を占めるインデイへナ(先住民の末裔)へのアイデンティティーを強く意識した作風で知られる。簡潔な具象イメージの表象はナイーブ画的とも言えるが、アンデス山地の清涼であざやか、かつ多彩な自然の色とその変化を反映した複雑かつ変化に富む多層な色面で構成されており、よくメキシコのルフィノ・タマヨに比せられる。

ボリビア固有の自然環境と歴史体験の中で育まれてきた民族の記憶を分かりやすい 普遍的な記号に還元し、整理された統一感ある構図に配置するが、色彩は多重化した大地の波動のリズムに委ねている。キリスト教の天使(外来のスペイン植民地時代の遺産)などを描く場合もあくまで土着の記憶と整合性のある文化伝統のマニフェストに仕上げている。しかし、インカ文明以前から現代にまで継承されてきている神話や伝承、幻視の神秘体験や奇跡・逸話などのフォークロアに傾倒する美術作家の作品とは一線を画す。

ボリビアにはグローバル化する国際的美術市場に対応した形でのコンテンポラリー・アートも存在する。だが真に創造的な個性とは、DNAに刻まれた過去の記憶と無縁ではありえない。ママニ・ママニの作品は20世紀のメインストリーム現代美術からの逸脱ではあるが、今になるとその呪縛からいち早く解放された系譜の作品と言える。